a patient (-tree)

エイズ&カポジ肉腫になった人の入院記録です。雑記あり。

看護師も色々である。雑記

入院初日、私はある1人の看護師の方に酷いことを伝えた。
「私、多分貴方と合わないと思う」と。

言い訳になるが、入院初日の私は酷かった。
高熱が出ており意識が朦朧とするなか、
午前中に入院が決まったので1度家に帰り慌ててカバンに必要な物を詰め込み再度病院に行った。この間およそ2~3時間。病院についた頃はへとへとで、立つのもままならなかったのでその時は車椅子に乗り色々な看護師に押してもらいながら入院手続きを行った。

その時、ある看護師に「必要なものは看護師に言ったらコンビニに連れて言ってくれるから何でも言ってください」と伝えられていた。頭がボーッとするなか小さい声で「はい」と答えた。

で、とある看護師に車椅子を押してもらっている最中、私は話し掛けた。申請書を出すために「すみません、黒ペンが欲しいです」と。
「次の人に頼んで下さい」とすかさず返された。
その看護師は急いでいた。病院内専用の電話も鳴り「すぐ伺います」という会話も聞いている。看護師は忙しい、急いでいる、それも分かっていた。
だがその時の私は心身共に疲弊しており被害妄想にとりつかれたのである。
車椅子を押すスピードが上がり、少し恐怖を覚え(熱があったので風を感じたのは気持ち良かった……)、エレベーターなどに乗るときにはガンッと当てられる。話し掛けても答えてくれなくなった。(恐らく私の声が小さすぎたのだ)
意識が朦朧としており言葉もハッキリせず何かアホの子を運んでいる感覚なのかなこの看護師は……。
(なんか、人間扱いされていないな)と感じた。

病室に戻る頃、
「すみません、伝えたいことがあるので病室の前で停まって下さい」と必死に訴えた。

そして病室の前に着いたときに
私の第一声が「すみません、多分私貴方と合わないと思う」と伝えた。聞いた看護師はビックリしただろう。
私はその時何故か必死だった。
「貴方は頑張っていると思う、けど、私は貴方に車椅子を押されているとき人間扱いされていないんじゃないかと感じました。すみません、貴方は頑張っていると思う、でも多分私と貴方は合わないと思います」と。
恐らく(患者を不安にさせた時点で看護師はダメですよ)という内容を伝えたかったんだと思う。今思えばどの口が言うねんって感じだが。
「すみません、ここで大丈夫です、有り難うございます」と言って私は自分の部屋に入った。

その後も私は酷かった。
始めて病室のベッドに横になり看護師が様子を伺いに来たときに、「私さっき車椅子を押してくれた人に酷いこと言いました」と謎の告白。
今更罪悪感が沸いてきたのである。
看護師は「そうなんですね」と聞いてくれた。
いい大人(私)がボロボロ泣き出し「すみません、謝っといてください、良い人でした」と伝えた。

その方は今も変わらず配膳や身の回りの世話をたまにしてくれている。
こいつやベー、と感じているのか、私に言われたことがショックだったのか(多分こっち)定かではないがなんとなく目を合わせてくれない。
口は災いの元である。

その夜、夜勤担当の看護師が世話をしてくれた。
その方はすべきことを淡々とこなす人で、私に対して酷い扱いをするわけでもなく(そりゃそうだ)
昼間の人間扱いされていないと感じた時の感情と今すべきことを淡々とこなす人を前にして、点滴を受けている最中にまた泣いてしまった。
「すみません、昼間に色々あって」
「あ、そうなんですね」
「なんか、淡々とこなす貴方を見て救われました、感謝しています」とまた謎の吐露。
「あ、淡々としていましたか」と少し笑いながら答えてくれた。
その夜、咳が酷くなり別室に移動してもらったりとかなりお世話になった。

振り返ると、自分がここまで弱かったのかと再確認してしまった。
心身共に疲弊している時はネガティブになるんだな、と。
基本、子供時代は友達も殆どおらず1人で生きてきたと感じていたので、自分は強い人間だと思っていた。
それが入院して(死ぬかも)と感じた途端これである。
泣くわ泣くわ……。今思い出しても情けないなと。

看護師には悪いことをした。伝わっていれば良いが……。


題名の「看護師も色々である」、についてだが
ここ数日色々な看護師と接して感じたことだ。

愛想の無い人。(私の姉みたい、姉だと何とも思わないが他人となるとイラッとくるのが不思議笑)
私の顔を見てドン引きしている人。
点滴の針を3、4回刺し間違えても謝らない人
(点滴の針を刺すのは難しいらしい)
逆にめっちゃ謝ってくる人。
「ホントごめんなさい、可哀想なんで次間違えたら他の人に任せます」っと言ってくれた。
(ってか、私の血管は固くて点滴の針が入りにくいそうだ。原因は私にあった……)
あとは、目では「面倒臭いなぁー」と言っているが、口では良いこと言っている人。
これは私の妄想かもしれんが、お風呂に入るので防水テープが欲しい、と伝えたときに「ナースコール押してもらえますか」と言われ、ナースコール押す前にその看護師が此方に来る用事があり(いや、此方に来るんやったら今防水テープ持ってきてくれてもいいんちゃうん……)と感じたり。
(文章書くのが下手だ。伝わればいいが……)

なんせ、総じて、私は色々考える癖があり器が小さいな、と。
自己嫌悪の日々である。